書評:「あんぽん 孫正義伝」佐野眞一著

「あんぽん 孫正義伝」を読んで、私は孫正義さんという人物に対する理解をより一層深めることができました。佐野眞一にさんによるこの伝記は、ただの経歴紹介に留まらず、孫さんのルーツや個性、彼が直面した困難とそれをどのように乗り越えてきたかに深く迫っています。この記事では、本書の内容を紹介しつつ、私自身の感想や体験を織り交ぜてご紹介します。

目次

孫さんのルーツ

本書は、孫さんの物語が始まる韓国・大邱からスタートします。食い詰めた一族が命からがら日本へと渡り、佐賀の朝鮮部落で新たな生活を始める様子は、まさにドラマチックです。この背景が、孫さんの強い精神力と起業家精神の源泉であることを感じさせます。

私自身、何度か起業に挑戦し、失敗と成功を繰り返してきましたが、孫社長の生い立ちを知ることで、どんな困難も乗り越えられるという強い信念を持つことの重要性を再認識しました。

人間・孫正義

佐野眞一さんは、孫さんがどのようにして貧困を乗り越え、ソフトバンクを築き上げたかを丁寧に描き出しています。特に、孫さんの家族や親族、関係者の証言を通じて、孫さんの人間性に迫る試みは読み応えがあります。孫さんの父に関するエピソードや家族の不仲など、孫さんの人生における様々な局面がリアルに描かれています。

私が特に共感したのは、孫さんが民族差別を乗り越え、なぜ日本を愛するようになったのかという部分です。自分自身も異文化の中で育った経験があるため、外部からの圧力を内面的な強さに変える孫さんの姿勢からは多くを学びました。

批判と理解

本書では、孫さんのビジネス手法や社会への貢献についても言及されていますが、著者の孫さんに対する批判的な視点も見逃せません。孫さんが「在日」として経験した差別や苦労が、孫さんの強い愛国心や事業への献身にどう影響しているのか、深く考えさせられました。

個人的には、孫さんのような人物が、どのようにして自分のアイデンティティや価値観を形成していくのか、そのプロセスに大きな関心を持っています。私たち一人ひとりも、自分自身のルーツや過去の経験を受け入れ、それを力に変えていくことができるのではないかと感じさせられました。

結び

「あんぽん 孫正義伝」は、孫正義という人物を多角的に理解するための貴重な一冊です。ビジネスの成功だけでなく、その背後にある人間性や社会への貢献を深く掘り下げた内容は、多くの読者にとって新たな発見となるでしょう。私自身、この本を通じて、自分の中に眠る可能性をもう一度見つめ直す機会を得ました。孫さんの人生から学ぶべきことはまだまだ多くあります。

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