書評:『今日、不可能でも明日可能になる』木野将徳 (著), 鈴木たつお (著), 新倉貴士 (著)

『今日、不可能でも明日可能になる』は、ただの成功物語ではありません。木野将徳さん、鈴木たつおさん、そして新倉貴士さんの三者が織りなす、起業の道のりの実話と、それをアカデミックに分析した内容が見事に融合されています。特に、若き起業家としての木野社長の挑戦、そして彼を取り巻く環境の変化への忍耐と対応は、多くの読者にとって共感とインスピレーションの源となるでしょう。

目次

挑戦する精神の本質

本書を読んでまず思い出したのは、堀江貴文さんの「馬鹿は最強」という言葉。この言葉が示すように、時には無謀とも思える挑戦が、最終的には大きな成果を生むことがあります。木野社長の5万円から始まる起業物語は、まさにこの言葉を体現している。彼の経験は、私たちに「常に打席に立つこと」の重要性を教えてくれます。

総務省とのやり取り、そして市場の変動

本書の中で特に興味深かったのは、エックスモバイルの挑戦が大手通信会社や総務省とどのように関わっていったかの描写です。ここでは、企業家としての直面する現実と、それにどう対峙していくかの戦略がリアルに描かれています。また、コロナウイルスの影響や大手キャリアの価格戦略への対応など、外的要因への適応の仕方も、現代のビジネスパーソンにとって貴重な学びを提供してくれます。

アカデミックな視点での解説

新倉教授によるアカデミックな解説は、本書のもう一つの大きな魅力です。特にマーケティングや消費者行動の理論を用いて、エックスモバイルの事例を分析する部分は、ビジネスの学びに深みを加えてくれます。ただ、私自身はこの部分を理解するのに少し苦労しました。学問的な知識が乏しいため、もう少し平易な言葉での解説もあれば、さらに理解が深まったと感じます。

結び

『今日、不可能でも明日可能になる』は、ただの成功物語や自己啓発書に留まらないと思います。起業家精神の本質を、実話とアカデミックな分析を通じて深く掘り下げる一冊です。私自身も、この本を読んで新たな挑戦を恐れずに、明日への一歩を踏み出す勇気をもらいました。起業を夢見る人だけでなく、現代を生きるすべての人にお勧めしたいです。

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